街道をゆく『1-2. 竹内街道』その2
大阪府のサイクリングコース
27-014 竹内峠~当麻寺~ふたかみパーク當麻~穴虫峠 約25km
竹内街道は、日本書紀の推古天皇21年(613年)の条に 「難波(大阪)より京(飛鳥)に至る大道(おおじ)を置く」と記されている、日本最古の「国道」。この峠を越えて、司馬さんの故郷に行ってみた。
コース地図
石川に架かる橋【臥龍橋】を起点・終点とした。
以下、街道をゆく『1-2. 竹内街道』その2:竹内峠の記録。
司馬さんの旅の時期 1970年頃
紀行テーマ・地点・歴史
道はクンナカを横切って葛城山脈に向かう。その葛城山脈の鞍部に峠があり、峠の名を、「竹内峠」という。そのため、竹内街道と江戸期によばれていたような記憶があるが、典拠は思い出せない。・・・・・
大和高田・竹内峠間の道路はいまは枝道になり、道ざまは鄙びてしまっている。われわれはそれをとる。これが古代ミワ王朝や崇神王朝、さらにはくだって奈良王朝の文化をうるおした 古代のシルク・ロードともいうべき道だからである。・・・ 司馬遼太郎。
『司馬さんの故郷』であった葛城山脈の麓を巡る。
◆竹内峠:大阪府の太子町と奈良県葛城市の府県境にある国道166号の峠。
◆竹内の集落:二上山の南麓・竹内峠を越えて葛城市に入った集落。
◆当麻寺:たいまでら 7世紀創建の寺院で高野山真言宗と浄土宗の並立。
◆二上山:北方の雄岳と南方の雌岳の2つの山頂がある双耳峰。
竹内峠の山麓はいわば故郷のようなものである
コースのポイントと標高差
27-014 竹内峠~当麻寺~ふたかみパーク當麻~穴虫峠 約25km。
竹内峠は【平均斜度 6.8%】で、難易度:Dなので大したことはないが、片側1車線で狭く、トラックの通行量が多いので注意が必要。
竹内峠(たけのうちとうげ)
竹内峠。
竹内峠.。
◆竹内峠。
竹内峠(たけのうちとうげ)は大阪府南河内郡太子町と奈良県葛城市の府県境にある、竹内街道(国道166号)が通る峠である。
竹内峠を、奈良県側に下った所にある標識。
竹内の集落
竹内峠を下ったところで右折し、竹内の集落に入る。
竹内の集落に入る。
竹内の集落。
竹内の集落。
竹内の集落に、芭蕉の旧跡がある。
綿弓塚(わたゆみづか)。
綿弓塚(わたゆみづか)。
綿弓塚(わたゆみづか)。
綿弓塚(わたゆみづか)。
綿弓塚(わたゆみづか)。
「綿弓や 琵琶になぐさむ 竹の奥」
松尾芭蕉が門人・苗村千里(なえむらちり)の旧里である竹内に宿泊した時に詠んだ句を記念し、1809年に建てられた句碑。
句碑の建つ庭と近くの民家を整備した休憩所には、芭蕉の資料や司馬遼太郎氏の色紙などが置かれている。
竹内の集落。
長尾神社
竹内峠を下って平地になった所に、長尾神社がある。
長尾神社:鳥居には笠木の上に屋根がついて、立派な扁額が掛かっている。
長尾神社:石灯篭の前にある「撫で蛙」。
長尾神社。
主祭神は天照大神(あまてらすおおみかみ)、豊受大神(とようけのおおみかみ)。祭神は水光姫命(みひかひめのみこと)、白雲別命(しらくもわけのみこと)。
水光姫命は『日本書紀』で神武天皇東征に際し吉野川上(奈良県川上村井光)に巡幸の際、井戸の中から現れた国神(くにつかみ)として記される井氷鹿(いひか:『古事記』『日本書紀』に記述される大和国の国津神)で、水神・井戸の神である。古事記や日本書紀によると、光って尾が生じていたと記されている。
社名からも長い尾っぽが想像されるが、その昔、三輪山を何重にも取り巻く大蛇がいたことから、蛇の頭を大神神社、尾っぽが長尾神社に相当すると伝えられいる。
長尾神社:拝殿。
長尾神社の場所は、大阪方面から竹内街道を通って大和へ入り、飛鳥の藤原京に至る古代の大道「横大路」の西側の入口となる所であり、重要な場所に社地を構えていた。
長尾神社前の横大路(大道)。
長尾神社横の竹内街道。
木戸池公園(葛城をあおぐ場所)
くりかえしていうようだが、その葛城をあおぐ場所は、長尾村の北端であることがのぞましい。・・・ 司馬遼太郎。
葛城をあおぐ場所はここがいいと、長尾の交差点横にある木戸池公園に行ってみた。
葛城をあおぐ:正面真ん中の窪んだ所が、竹内峠。
葛城をあおぐ:湖面に映るパノラマ。
当麻寺
当麻寺参道。
当麻寺参道。
当麻寺:仁王門。
当麻寺:境内。
当麻寺。
当麻寺:梵鐘。
当麻寺:本堂。
当麻寺:護念院横。
当麻寺:西塔。
当麻寺:東塔。
当麻寺:境内、東大門(仁王門)を望む。
当麻寺。
奈良県葛城市にある7世紀創建の寺院。法号は「禅林寺」。山号は「二上山」。創建時の本尊は弥勒仏であるが、現在信仰の中心となっているのは当麻曼荼羅である。宗派は高野山真言宗と浄土宗の並立となっている。開基は聖徳太子の異母弟・麻呂古王とされるが、草創については不明な点が多い。
当麻寺:門前町。
石光寺(せっこうじ)
石光寺(せっこうじ)。
石光寺(せっこうじ)。
浄土宗の寺院。山号は慈雲山。本尊は阿弥陀如来。
天智天皇の勅願によって創建された。この寺には信仰心の篤い中将姫の伝説が残っており、姫が蓮糸を五色に染めたとされる染の井と、染めた糸を枝にかけて乾かしたとされる糸かけ桜がある。このことにちなんで、別名染寺とも呼ばれる。日本最古の弥勒石仏が残る。春には400種余りのボタンが咲き、また寒ボタンもその見事な美しさで有名。
関西花の寺 第20番 慈雲山 石光寺(せっこうじ):牡丹と芍薬。
春ぼたん:見頃は4/18~23日頃。2700株 400種。
アメリカ芍薬:見頃は 4/27-5/5 頃。約500株 100種類。
※:私には、牡丹と芍薬の違い、見分け方が分からない。
石光寺のアメリカ芍薬。
石光寺のアメリカ芍薬。
石光寺のアメリカ芍薬。
中将姫 染の井戸。
「中将姫(ちゅうじょうひめ)」が使った井戸の伝説で有名。
763年、中将姫は蓮の糸を石光寺の庭の井戸に浸したところ五色に染まり、それを使って當麻寺・当麻曼茶羅を一夜のうちに織りあげた。
このことから「染寺(そめでら)」と呼ばれている。
石光寺:弥勒堂。
二上山
大和高田バイパス(R165)を左折し、道の駅ふたかみパーク當麻に向かう。
二上山ふるさと公園。
二上山ふるさと公園 から 道の駅ふたかみパーク當麻 方面。
二上山。
二上山。
北方の雄岳(517m)と南方の雌岳(474m)の2つの山頂がある双耳峰。
かつては大和言葉による読みで「ふたかみやま」と呼ばれた。
雄岳の山頂には「大津皇子の墓(おおつのみこのはか)」がある。
千股池。
二上山が眺望できる千股池湖畔。
千股池からは二上山の特長的な形が楽しめ、また池に映る二上山は絵になる風景です。この場所は二上山の雄岳と雌岳の間に夕日が落ちる写真の撮影スポットとして有名です。春分の日、秋分の日に二つの山の間に陽が沈む様子を見る事ができます。
千股池からあおぐ二上山。
千股池からあおぐ二上山のパノラマ。
大和高田バイパス(R165)を北上し、帰路に就く。
R165からR703に出る交差点。ここを左折。
左折するとすぐに、R703:太子方面に右折。
穴虫峠。
穴虫峠。
二上山の北麓、大阪の太子町と奈良の香芝市の府県境にある峠で、昔は「大坂」と呼ばれていた。
『大坂を我が越え来れば二上にもみぢ葉流る時雨降りつつ』万葉集。
大坂越えの峠道を私が越えて来ると、折から二上山には紅葉葉が風に吹かれて、まるで流れるように散っていることである。時雨が降りしきるなかで。
本日のアクティビティ。
走行距離:41.54km、走行時間:2:39:20、上昇高度:503 m
参考:
竹ノ内街道(国道166号)の起点:
近鉄南大阪線の古市(ふるいち)駅の西側にある、羽曳野市の白鳥交差点(=国道170号交点)が起点となっている。
起点の白鳥交差点。
近鉄南大阪線の古市(ふるいち)駅の踏切。
古市(ふるいち)駅の踏切を渡った辺り。
近鉄南大阪線の古市(ふるいち)駅の東側からの竹ノ内街道。
竹ノ内街道起点、古市駅の東側出口からすぐの白鳥神社。
白鳥神社入り口横にある、竹ノ内街道や古市古墳群の案内所。
臥龍橋(がりゅうばし):石川に架かる橋。
『がりょうばし』と記されている。
参考:
以上。
(2015.03.17)