スポークテンション調整で ホイールが蘇る

ロードバイク + ホイール
スポークテンション調整
『WHEEL TENSION APP』の使い方
 
ホイールは長く使用していると、スポークのテンションが緩んでくる。
 
スポークテンションが緩むと、振れが出るだけでなく、反応が鈍くなったり、力が逃げたりして、本来の性能が発揮できず、乗り心地や安全性にも影響が出てくる。
 
スポークテンション調整の目的。
①.緩んだスポークのテンションを調整し、剛性を元に戻す。
②.全てのスポークのテンションを均一化する。
③.テンションを上げ、キビキビした走りにする。
 
ParkTool 『WHEEL TENSION APP』での、テンションバランス
 
以下に、スポークテンションの調整要領と、ParkTool 『WHEEL TENSION APP』の使い方を記録。
 

 

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スポークテンションとは
リムとハブをつなぐスポークの張力のこと。

スポークテンションを調整し、
 → 硬い・柔らかい等、乗り心地を自分好みにする。
 
スポークのテンション調整
 
 
 
 

 

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1. スポークテンションの測定と調整
 
スポーク テンションメーター:PARKTOOL TM-1。
スポークテンション・メーター:PARKTOOL TM-1
 
表:グリップが握力計の様になっている。
スポークテンション・メーター:PARKTOOL TM-1
 
裏:バネを支点としたレバーが取り付けられている。
スポークテンション・メーター:PARKTOOL TM-1
 
付属品:換算表とスポークゲージ(スポークの径を測る)。
スポークテンション・メーター:PARKTOOL TM-1
 
TM-1 取扱説明書。
TM-1 取扱説明書
TM-1 取扱説明書
 
スポークテンションの計測要領。
スポークテンションの計測要領
 
使用方法。
2つの支持子と測定子の間にスポークを通し、ゆっくりとグリップを放す。

 ・バテッドスポークは、測定子を最小径の部分の中間点に合わせ測定する。

 ・エアロスポークは、測定子を平面部の中間点に合わせ測定する。
 
 
スポークの形状

1. プレーンスポーク plain spoke
 断面が円で、端から端まで一様の太さのもの。

2. バテッド・スポーク butted spoke
 スポークの頭~エルボ部、胴部、ネジ部によって太さが異なるもの。

 頭~エルボ部とネジ部が同じ太さで胴部だけが細いものをDouble Butted Spokeといい、頭~エルボ部、胴部、ネジ部それぞれが異なるものを Triple Butted spokeという。

3. エアロ・スポーク aero spoke
 胴部の断面が扁平や楕円のもの。

 進行方向からの投影面積を少なくすることによって空気抵抗を減らしている。
 SAPIM CX-RAY:断面が楕円になっている。
 PILLAR PSR X-TRA:断面が長方形」。
 
スポークテンションの調整要領。
スポークテンションの調整要領
 
換算表。(測定値からテンション値(kgf)を割り出す換算表。)
測定値からテンション値(kgf)を割り出す換算表
測定値からテンション値(kgf)を割り出す換算表
 
換算表の見方。
TM-1の測定値と一致する行を右に見て、
該当するスポーク形状と「厚さ」及び「幅」が一致する列、
との交点にある数字が「テンション値(kgf)」になる。
(『WHEEL TENSION APP』を使った方が簡単。)
 
 

 

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2. スポークテンションの実測
 
まず最初に、スポークの厚さを計る。
まず最初に、スポークの厚さを計る
 
次に、スポークの幅を計っておく。
次に、スポークの幅を計っておく
 
バルブ位置を起点とし、一本一本計測していく。
バルブ位置を起点とし、一本一本計測していく
 
計測値を記録するシートを作っておくと良い。
計測値を記録する
 
当初は、計測ごとに数値が異なり戸惑うが、グリップを握ってからゆっくり放してゆけば、安定して計測できるようになる。
 
ZIPP 202
zipp 202
 
ZIPP 202 測定結果(調整前の値)。
ZIPP 202 測定結果(調整前の値)
測定値。
リアの左側が、あまりにもテンションが低いように思われる。
が、どこまで上げればよいかわからないので、
取り合えず【 +2 】程強めた。
 
 
ZIPP 202 測定値の換算表での位置付け(調整前の値)。
ZIPP 202 測定結果(調整後の値)
 
 
WH-7850-C24-CL
WH-7850-C24-CL
 
WH-7850-C24-CL 測定結果(調整後の値)。
WH-7850-C24-CL 測定結果(調整後の値)
 
WH-7850-C24-CL 測定値の換算表での位置付け。(シマノのマニュアルにある標準値に程遠い。)
WH-7850-C24-CL 測定結果(調整後の値)
 
 

測定結果について
 ①.ホイール毎の適正値がわからない。
 (購入時に記録しておけばよかった。)

 ②.テンションメーターの精度がわからない。

ということで、ポインタの値が極端になっているスポークのテンションを調整し、全体が均一になるように調整するに留めた。

※1:テンション値(kgf)は換算せず。
※2:ポインタの値が、換算表に記載がない行になっている。
 
 
SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT
SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT
 
SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT 測定結果(調整後の値)。
SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT スポークテンション
 
Campagnolo のスポークツール。
Campagnolo のスポークツール
 

測定結果の「リア・右・9番」のテンションが低いので、調整すべくニップルを締めると、【ニップルとスポークが固着している(焼き付いてしまっている)】状態で、スポークが一緒に回り捩じれてしまう。

これを直すべく弄っていると『パキーーーン』と、スポークが折れる。トホホ・・・。
『パキーーーン』と、スポークが折れる

 
気を取り直して、SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT の部品表を探す。

品番は「WH-105SHB」らしい。
SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT の部品表を探す。品番は「WH-105SHB」らしい
 
ネットをググってCS-MAVERICKに辿り着き、早速発注。
CS-MAVERICK
 
到着した交換用のスポーク。予備を考慮して、2本購入。
WH-105SHB compl. front spoke for SH/EU L. 279,2
 
 
折れたスポークの取り外し
 
固着して折れたスポークをペンチで握り、苦戦しつつも粘り強くゆっくりとニップルを回して行く・・・と、根元部分が何とか取り外せた。
固着して折れたスポークの、根元部分が何とか取り外せた
 
取り外すために使用した「浸透剤」ラスペネ。
ラスペネ
 
折れたスポークを交換するために、スプロケットを取り外す。
 
すると、ハブにスポークがはまっている部分が現れる。
ハブにスポークがはまっている部分
 
スポークの頭がはまっている状態。
スポークの頭がはまっている状態
 
スポークの頭を捩じると外れた。
スポークの頭を捩じると外れる
 
外れたスポークと、折れた部分。
外れたスポークと、折れた部分
 
 
新しいスポークの取付
 

新しいスポークをセットする。

ニップルの交換要領が(何処からどうやって抜いて、何処からどうやって入れるのか)分らなかったので、古いニップルをそのまま使用した。
新しいスポークをセットする

 
大失敗ーその2
スポークが短くて、ニップルが締められない。
 
 マニュアルには、「Front/Rear Right Spoke WH-105SHB」との記述だったが、
マニュアルには、「Front/Rear Right Spoke WH-105SHB」との記述だった
 

CS-MAVERICKでさがすと、【WH-106SHB = 282.7mm】というのがあった。

「Rear Right 」は【WH-106SHB = 282.7mm】でなければならなかったようで、再度発注する。(情けな~・・・。)

WH-106SHB compl. rear right spoke for SH/EU L. 282,7

 
2回目に届いたスポークは、箱に入っていない。
(WH-106SHB compl. rear right spoke for SH/EU L. 282,7)
WH-106SHB compl. rear right spoke for SH/EU L. 282,7
 
スポークをセットする位置。
スポークをセットする位置
 
丸く広いところから頭を入れ、捩じる。
丸く広いところに頭を入れ、捩じる
 
水平にして引っ張ると、キッチリ収まる。
水平にして引っ張ると、キッチリ収まる
 
今度は固着しないように、「カジリ防止」のワコーズのスレッドコンパウンドを少量塗布した。
ワコーズのスレッドコンパウンド
 
【WH-106SHB = 282.7mm】は十分な長さがあり、ニップルを締めることができた。
今度は十分な長さがあり、ニップルを締めることができた
 
スポークテンションを調整して完了。めでたし、めでたし。
スポークテンションを調整して完了
 
【SHAMAL ULTRA 2-WAY FIT 】が、復活した。
 
 
参考:Shamal Ultra 2way Fit ニップルの交換要領
 
Shamal Ultra 2way fit に同梱されている付属部品。
Shamal Ultra 2way fit に同梱されている付属部品
 
交換用のアルミニップルに、付属品の鉄のネジをねじ込む。
交換用のアルミニップルに、付属品の鉄のネジをねじ込む
 
ねじ込んだ鉄のネジに、付属品の短い磁石をくっつける。
ねじ込んだ鉄のネジに、付属品の短い磁石をくっつける
 
この状態にしたニップルを、バルブ穴からリムの空洞部に入れ、長い棒の磁石でニップルを誘導して、ニップルを該当の位置にセットする。
ニップルを、バルブ穴からリムの空洞部に入れ、長い棒の磁石でニップルを誘導
 
2つの磁石がくっつくので、強力な磁力になっている。
2つの磁石がくっつくので、強力な磁力になっている
 
 

 

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3. ParkTool 『WHEEL TENSION APP』の使い方
 
ParkTool のWebサイトには、テンションバランスの可視化ツール 『WHEEL TENSION APP』が用意されており、

 ①.スポークの素材(Material)、形状(Shape)、厚さ(Thickness)、幅(Width)を入力すると、換算表に載っていない厚さや幅の換算表を表示してくれる。

 ②.測定値を入力すると、テンション値(kgf)とテンションバランスのレーダーチャートを表示してくれる。

 ③.平均値 (Kgf) や標準偏差 (Kgf) なども算出され、結果一覧は名前を付けて保存・印刷が出来る。

と、非常に便利なツールである。
 
ParkTool 『WHEEL TENSION APP』サイトにアクセスすると、次の画面が表示される。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
「Material」を選択し、スポークの素材を設定する。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
次に、「Shape」「Thickness」「Width」を設定する。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
「UPDATE」をクリックすると、入力したスポークに対する換算表が表示される。
『WHEEL TENSION APP』画面
 

先ずは左側から、「スポーク本数」を入力すると、表の行が本数分展開されるので、それぞれに測定値を入力していく。

測定値が入力されると、その右に「テンション値(kgf)」が自動的に表示され、且、ズレが ±20%以内の限界内に入っているかどうかも表示される。
『WHEEL TENSION APP』画面

 
右側も同様に、入力して行く。
『WHEEL TENSION APP』画面
 

左右両側スポークのテンションバランスが判る、レーダーチャートが表示される。

チャートのどこかが突出していたり、窪んでいればテンションを調整する。
『WHEEL TENSION APP』画面

 
下部には、「平均スポーク張力(kgf)」「張力の標準偏差(kgf)」「+ 20%上限張力(kgf)」などが表示される。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
印刷・保存用の、ホイールに関するデータが入力でき、「Print」ボタンを押すと印刷が出来る。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
測定結果の「Print」例。
『WHEEL TENSION APP』画面
『WHEEL TENSION APP』画面
 
「Save」ボタンを押すとWeb上に保存されるので、URLをメモして置くか、お気に入りに追加しておけば後から参照できる。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
保存されたURLを、他のブラウザで開いてみた例。
『WHEEL TENSION APP』画面
 
テンションバランスシートは、左右に並べて表示されるので、見やすくなる。
テンションバランスシートは、左右に並べて表示される
 
ズレを ±20%の限界外の値に変更してみると、警告マークが表示されるので判りやすい。
ズレを ±20%の限界外の値に変更してみる
 
 
参考:
 

以上。
(2018.09.04)

 

 

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