京都府のサイクリングコース
26-071 月ヶ瀬湖周遊 約 26㎞
京都府の最南端、奈良県との境に『月ヶ瀬梅林』で有名な月ヶ瀬湖がある。月ヶ瀬湖は、名張川(下流域は五月川と呼ばれる)に水量調節用のダム「高山ダム」が作られたことで出来た「ダム湖」で、五月川の渓谷は月ヶ瀬湖に変貌した。
元は、五月川の渓谷沿いに梅の木が広がる様から『月ヶ瀬梅渓』と呼ばれる、古くから有名な梅林があったが、これが水没してしまった。
高山ダムの建設に伴い、水没する梅林を補償するため多くの梅が移植され、その後、新たな梅林が設けられたりと梅林の保全管理がなされ、今では、月ヶ瀬湖の湖水と育成した梅樹が調和した『新生月ヶ瀬梅林』となっている。
八幡橋(はちまんばし)。
梅の季節ではないが、「地勢的に興味を誘う場所」だったので出かけてみた。
コース地図
「道の駅 お茶の京都みなみやましろ村」を起点・終点とする 【26-071 月ヶ瀬湖周遊 約 26㎞ 】のコース地図。
コースのポイントと標高差
京都府における南山城村の位置。
月ヶ瀬湖の大半は京都府であるが、月ヶ瀬梅林は、奈良県奈良市月ヶ瀬尾山とその周辺に位置する梅林である。
目次のポイント。
1. 道の駅 お茶の京都みなみやましろ村
道の駅 お茶の京都みなみやましろ村、正面玄関。
駐車場の様子。
店内には、「のもん市場」と呼ばれる南山城村特産品のお茶や地元生産者さんの新鮮野菜など、産直商品コーナーがある。
道の駅 お茶の京都みなみやましろ村のコンセプト ー1。
道の駅は、村のダイジェスト版
京都でたったひとつの村、南山城村。
山に囲まれ、中央に木津川が流れる自然豊かなところ。
三重・奈良・滋賀に隣接し、多様な文化が入り混じっています。
その中で村人がせっせと生活を営み続けてきた結果、産まれたものがあります。
それを「村のダイジェスト版」として発表する場が道の駅です。
道の駅 お茶の京都みなみやましろ村のコンセプト ー2。
大事にしたい想い「つちのうぶ」
山一面に広がる茶畑。米・野菜・保存食を自給自足してきた生きる知恵。家族のためにつくってきたごはん。
どれも自然の恩恵を受けてつくりあげてきた、村人の知恵と想いが詰まった「確かにこの土地で産まれたもの」です。私たちはこれらを「つち(土)のうぶ(産)」と銘打ち、こだわりの品をそろえる、わざわざ来ていただけるような道の駅にしていきます。
2. 高山ダム
高山ダム案内板。
高山ダムによってできたダム湖が、「月ヶ瀬湖」。
高山ダム下流方面。
堰堤天端道路。
堰堤(えんてい)天端 (てんば) 道路を渡り、対岸の府道82号線に出る。
高山ダム。
高山ダムは1969年に完成
高山ダムは、木津川筋で最初にできた多目的ダムで、旧村名が高山村であったので、高山ダムと名付けられた。(現在の南山城村は、高山村と大河原村が合併してできた村。)
アーチ軸形状の重力式コンクリートダム(重力式アーチダム)で、この型式は全国で10例程度。高さが67メートル、長さは209メートルで、 4,900万トンの水を貯めることができます。
ダムの大きさ。水の量はどちらが正しいのでしょうか。
3. 高山橋や高尾公民館と谷崎潤一郎の歌碑
府道82号:上野南山城線からの月ヶ瀬湖、下流方面。
府道82号:上野南山城線からの月ヶ瀬湖、上流方面。
暫く走ると、橋が見えてくる。
府道82号線からの高山橋。
高尾公民館。この辺りが左岸の最高地点。
高尾公民館前にあった、案内図。
高尾公民館前から下りに入って眺める、月ヶ瀬湖遠景。
月ヶ瀬湖遠景:上流側。
龍王の滝辺りからの、月ヶ瀬湖。
龍王の滝近くの、桃香野(ももがの)製茶工場前に駐車場があり、「月ヶ瀬観光案内図」がかかっていた。
この横に、谷崎潤一郎の歌碑がある。
谷崎潤一郎の歌碑
『わがや度の梅のさかりをよそにして
たづ年てぞこ新月ヶ瀬農里』
谷崎潤一郎(1886~1965)昭和四年(1929)三月 伊賀より月ヶ瀬に遊びて、とあるが、どうやってここを訪れたのだろう。
谷崎潤一郎の月ヶ瀬説明文
「名所というものはいってみると、さほどでもないところが多い。けれど昔から吉野と並び称されている月ヶ瀬の梅ばかりは、まことにその名にそむかない。いつから有名になったのかはよく知らないが、恐らく頼山陽や斉藤拙堂の詩文によって、一層著聞するようになったのであろう。あのさつき川の水を挟んで延々一里に余る渓谷に、真珠の粒をばらまいたような萬朶の花の香る景色を、私は毎年早春頃になると思いだす。今年も行ったし、二、三年前にも行ったが又、来る年も来る年も、暇さえあれば何時でも行きたいと思う。」
4. 八幡橋(はちまんばし)
「湖畔の里つきがせ」に到着。ここでは、食事も出来る。
「湖畔の里つきがせ」の横から、対岸に渡れる「八幡橋(はちまんばし)」がある。
八幡橋(はちまんばし)。
八幡橋(はちまんばし)からの眺め、下流側。
八幡橋(はちまんばし)からの眺め、上流側。
「湖畔の里つきがせ」の裏から眺めた、八幡橋。
八幡橋が眺望できる、駐車場で休憩を取る。
八幡橋(はちまんばし)
昭和44年に、下流の高山ダム建設に伴い水没した石橋の代替として作られております。全長160m、幅3.5mで大型車の通行は出来ません。
吊り橋「八幡橋」は、瀬戸大橋と同じ構造で、ワイヤーを捩じらずに、何本もの太いワイヤーで支えられています。新日鉄によって試作された「ミニ瀬戸大橋」です。
珍しいと思うのですが、橋の中央が奈良県と京都府の県境となっております。
八幡橋付近は、梅、桜、新緑、紅葉と四季を通して素晴らしい景色を堪能できます。秋には、梅や桜の木々の間から赤や黄色に染まる楓の紅葉を楽しむことができます。
5. 月ヶ瀬橋(つきがせばし)
月ヶ瀬橋(つきがせばし)を渡り、月ヶ瀬尾山に向かう。
月ヶ瀬橋(つきがせばし)からの名張川。下流側。
月ヶ瀬橋(つきがせばし)からの名張川。上流側。
月ヶ瀬橋を渡ってすぐを、左に登ったところに「本田種竹山人詩碑」がある。
『月ヶ瀬梅花の詩』
山中にて愚庵禅師に贈る
古木巌を回りて一路紆る
雲を出ずれば相見雲に入れば
呼ぶ 何人か画家の案(思
案のこと)をふん倒(さかさまにする)
して 新たに梅花三笑の図
を補いしならん
(註)梅花三笑は中国の故事虎渓三笑に
倣っての意
佐佐木 信綱(ささき のぶつな)歌碑。
6. 笹瀬橋(ささせばし)を渡って 道の駅 みなみやましろ村に戻る
木津川に架かる、笹瀬橋(ささせばし)に戻ってきた。
笹瀬橋(ささせばし)から望む、木津川の上流。
道の駅 みなみやましろ村に帰着。
道の駅の中にある、「村風土食堂つちのうぶ」で昼食にする。
とんかつ定食。
煮豚定食。
村定食は、茶飯・メイン1種・小鉢2種・サラダ・味噌汁付きで、税込1,200円。村のおばあちゃん直伝の小鉢が、美味しい。
食事の後、西日本一になったというスィーツを頂く。
選択したのは、「村抹茶サンデー」¥580。
7. まとめ
気温:27℃、午前中のみ、さわやかな秋晴れ。昼から雨になる。月ヶ瀬湖だけの短いコースで終えて正解だった。
湖畔の道は、適度にアップダウンがあり、走りに変化がある。道幅は広く対向車が殆んど無いので、ロードバイクににとっては走りやすいコースだった。
奈良県道・京都府府道82号:上野南山城線の道路状況。
高尾公民館前から下った辺り。
奈良県道・京都府道753号:月ヶ瀬今山線の道路状況。
月ヶ瀬カントリー前。
奈良県道・京都府道753号:月ヶ瀬今山線の道路状況。
月ヶ瀬カントリーを過ぎた辺りの下り。
本日のアクティビティ。
走行距離:25.27 km、走行時間:1:43:33、上昇高度:427 m
距離が短いので、近くの「布目ダム」と併せると【47.35km】になって良いかも。
参考:
以上。
(2019.09.20)