十三峠越えルートの詳細

2022年2月4日

高安山越十二道の詳細
十三峠越えルートの詳細(下り)
十三峠越え = 標高:422m 距離:約 1.9km
 

 十三峠越え

 大阪玉造から深江、高井田を経て、神立から大和の龍田に越える峠をいう。文久3年(1863)8月、伴林光平が、大和天誅組の旗上げの時、大阪玉造に和歌の教授に来ていて、十六日の夜半その通知をうけて、直ちに脚気の重い足を引きずるようにして、急ぎこの十三峠を越えて、大和畝傍にかけつけたのである。大阪玉造と大和龍田方面とを結ぶ最も重要な街道筋の峠に当る所である。明和2年の峠の地蔵と天理教小寒さんの碑がある。

引用元:八尾市観光データベース

 
No.2:十三峠越ルート。
左に下ると、「水呑地蔵尊」に出る
途中にある「水呑地蔵尊」。
 
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1. 高安山越十二道と十三峠越え

高安山は、大阪府と奈良県との境に位置する標高 488m の山。
 八尾市内から生駒山系を越えて奈良県側に通じるルートとして、「高安山越十二道」(1-楽音寺道・2-十三峠越・3-おと越・4-おと越南谷道・5-立石峠越・6-しろ道・7-神光寺道・8-おお道越・9-鉢伏道・10-信貴越・11-恩智越・12-神宮寺道)があり、「生駒縦走歩道」がこれらを南北につないでいる。
 生駒縦走歩道に繋がった十二道の中から、登り口や下山道を自由に選択して組み合わせると、バリエーションに富んだ「高安山」トレッキングコースが選定できる。
 
高安山越十二道の地図と【2-十三峠越】の位置。(4-おと越南谷道 は記載せず。)
「高安山越十二道」の地図
 
十二道の内、コースの整備状況や歩き易さ「Top-5」。(季節によって状況は異なる。)
1番:恩智越えルート
 恩智越えは、よく整備されており、休憩用のベンチも多く初心者向き。
2番:十三峠越えルート
 水呑地蔵尊を経て十三峠に至る道で、整備されているので歩きやすい。
3番:おお道越えルート
 道は狭いが状態は良く、岩が多いが歩きやすい。ほぼ直登なので、距離は短いが傾斜が一番きつい。
4番:立石峠越えルート
 立入禁止の柵があったが、登れる。但し、1か所土砂崩れの箇所があり、注意深く進む必要あり。
5番:信貴越え(黒谷道)ルート
 特に危険箇所は無いが、笹がかぶさってブッシュ状態になっており藪漕ぎ(やぶこぎ)が必要。
6番:神宮寺道ルート
 マウンテンバイクのダウンヒル専用道路状態だが、バイクで路面が剥き出しになっていて歩きやすい。
 
これらのルートには、八尾市消防本部の「119番通報ポイント看板」が設置されている。
 
 

2. 十三峠越えルートの地図

十三峠越えルート。
十三峠越えルートの地図
 
 
ルートの概要。
①.生駒縦走歩道の十三峠から、十三峠ハイキングコースに入る。

②.途中に「水呑地蔵尊」がある。

③.神立茶屋辻を経て、神立辻地蔵(こうだちつじじぞう)で終点。

 
 
 
 
通報ポイント看板の設置個所。(八尾市消防本部資料の転載)
十三峠越えルート 通報ポイント看板の設置個所
 
 

3. 十三峠越えルートの詳細

生駒縦走歩道から、十三峠越えルートへの道。
左に行くと、十三峠ハイキングコースに降りる
 
十三峠駐車場からの、大阪市街の眺望。
十三峠駐車場からの、大阪市街の眺望
 
「信貴生駒スカイライン」の下を通る、十三峠の車道を横切って脇道に入る。
「信貴生駒スカイライン」の下を通る、十三峠の車道を横切って脇道に入る
 
十三峠越えルートを下ると、すぐに「府民の森 みずのみ園地」がある。
十三峠越えルートを下ると、すぐに「府民の森 みずのみ園地」がある
 
十三峠越えルートの、下りの様子。
十三峠越えルートの、下りの様子
 
「水呑地蔵尊」の上辺り。真っ直ぐ下って少し戻るように進んでも良いが、この左にある道を下ると、「水呑地蔵尊」の裏に出る。
「水呑地蔵尊」の上辺り。真っ直ぐ下って少し戻るように進んでも良いが、この左にある道を下ると、「水呑地蔵尊」の裏に出る。
 
左にある、「水呑地蔵尊」の裏に出る道。
「水呑地蔵尊」の裏に出る道
 
左に下ると、「水呑地蔵尊」に出る。
左に下ると、「水呑地蔵尊」に出る
 
「水呑地蔵尊」。
「水呑地蔵尊」
 
 

 水呑地蔵
承知三(八三六)年、僧壱演がここに地蔵菩薩を安置して堂宇を設けたという。本堂の南側に小祠があり、石地蔵の前に二つのつぼがある。こんこんと清水がわいていて、俗に「弘法水」という弘法大使が山麓から急坂を登って、このすぐ上の十三峠を越える旅人のために祈願して得た霊水という。 
飲料水として、また脚気などの諸病にも効験あるといわれ参詣者がたえない。(※現在は生水は飲めません。)

 
 
水呑地蔵尊の展望台からの眺望。大阪市街の向こうに、明石海峡まで見える。
水呑地蔵尊の展望台からの眺望。大阪市街の向こうに、明石海峡まで見える。
 
「水呑地蔵尊」からの下り。
「水呑地蔵尊」からの下り
 
下から見た、「水呑地蔵尊」への入り口。
下から見た、「水呑地蔵尊」への入り口
 
「十三街道ハイキング道」を下る。
「十三街道ハイキング道」を下る
 
十三街道ハイキング道:道を竹箒で掃いてあり、落ち葉がきれいに取り除かれている。
十三街道ハイキング道:道を竹箒で掃いてあり、落ち葉がきれいに取り除かれている
 
十三街道ハイキング道:所々に「竹箒」が置かれている。
十三街道ハイキング道:所々に「竹箒」が置かれている
 
十三街道ハイキング道:掃除された直後の感じがする。この「十三峠越え」を歩くたびに、道を掃いている高齢の男性の姿を見る。「感謝」。
十三街道ハイキング道:掃除された直後の感じがする。この「十三峠越え」を歩くたびに、道を掃いている高齢の男性の姿を見る。「感謝」。
 
伊勢物語歌碑と石仏。
伊勢物語歌碑と石仏
 

  君来むと
いひし夜毎に過ぎぬれば
 頼まぬものゝ 恋ひつゝぞ経る
     「伊勢物語」23段 筒井筒より

大和の男(在原業平)は幼なじみの女と暮らしていたが、高安の女をみそめ、そのもとに通う。
ある時、女が侍女に給仕をさせず、自分でご飯を器に盛ったのを見て、男は心変わりし通わなくなる。
それでも女は待ち続け、この歌を詠んだ。
謡曲「井筒」「高安」でもよく知られている。

引用元:伊勢物語歌碑
 
神立茶屋辻にある、石碑と石仏。
神立茶屋辻にある、石碑と石仏

 

 神立茶屋辻

 この街道はむかし大阪玉造と大和竜田を結ぶ重要な道筋にあたりこの辻には多くの茶屋が並んでいたのでその名がある。また在原業平と茶屋娘の恋物語りで名高い。
 業平が峠を越え玉祖神社へ参詣の途中、福屋の娘梅野をみそめたが、ある夜東窓があいていたので中をのぞくと、娘が手づからでめしを食っているので、急に興ざめ逃げ帰った、娘は後を追ったが見あたらず悲んで渕に身を投げた。
 この高安の里では、今でも東窓を忌み、これをあけると娘の縁が遠くなるという伝説がある。  この道を登ると水呑地蔵、十三峠がある。

引用元:八尾市教育委員会
 

 石仏の道

 十三街道には、多数の石仏が置かれており、神立辻地蔵堂の前にある石仏が一番と二番で、ここから水呑地蔵尊へ到るまで、道の脇に三十三番まで、二体づつ、都合六十六体の石仏が置かれているという。

 十三仏

 十三峠の名は十三塚に由来する。峠の北側には名称の起こりとなった十三塚がある。十三仏は人の死後、初七日から三十三回忌までの十三回の追善供養を司る仏尊。
 とすれば石仏が三十三番まであるというのも合点がいく。やはり十三仏に違いない。

 
 
さらに下り、神立辻地蔵(こうだちつじじぞう)で終点。
 
 
十三峠越えコース。
道は急坂なところもあるが、コンクリで固められており、手入れもされているので歩き易い。
 
 
参考:立石峠越えルートの詳細。
 
参考:おお道越えルートの詳細。
 
参考:信貴越え(黒谷道)ルートの詳細。
 
参考:恩智越えルート【恩智新道】の詳細。
 
 

以上。
(2020.11.12)

 
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