~アラカンからのサイクルライフ~

ランドナーを 街乗り用に 大改造した

ロードバイク メンテナンス
ランドナーを 街乗り用に 大改造した
 
日常用には「GIOS Figaro」というミニベロに乗っているが、最近【 451 】というタイヤサイズとギアの歯数との組み合わせに違和感を感じるようになった。そこで、天井裏に「大事」に保管してきた、40年以上前のランドナーを引っ張り出し、これを街乗り用に大改造し、日常用として使って見ることにした。
 
改造前のランドナー
改造前のランドナー
 
以下、ランドナーの改造記録。
 

 

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0. 改造前のランドナー
 
改造前のランドナー:トップチューブ長 530mm 。
 
 フレームは無名だが、クロモリの美しい塗装になっている。フロントは 3速でリアは 5速、パーツは1970年代の最高級品が使われている逸品。
 ホイールは、元々27インチではあるが「27×1-1/4 か 27×1-3/8」といった、幅が広いタイヤが装着できるサイズのものだったので、タイヤの汎用性を考えて前後とも元のハブ( F:100mm R:120mm ) で 700C のホイールに組み替えた手組ホイールになっている。
 
 
 
1. ステム
 
スレッドステムになっており、突き出しは「 65mm 」と短い。ベルが直付けになっている。
 
スレッドステムの規格と、装着ステムのサイズ。
 
ヘッドパーツの状態。
 
ステムはこのままの状態で、継続して使用することにした。
 
 
 
2. ハンドルバーとブレーキレバーの改造
 
改造目標:
①.フラットバーにする。
②.出来るだけ短いハンドルにする。
 
ハンドルバーは、「SAKAE CUSTOM ROAD CHAMPION 」という「 C-C 360mm」の、狭くて輪行に適したドロップハンドルを装着していた。
 
このドロップハンドルのバーテープとブレーキレバーを取り外した後、ステム前面のボルトを緩めて、隙間ができた状態にしてからハンドルバー抜き取る。スレッドステムの場合、カーブしているところが抜きにくい。
 
取り外した「SAKAE CUSTOM ROAD CHAMPION 」。
 
ハンドルのにぎり径とクランプ径の標準。
 
クランプ径が 25.4mm なので、手持ちの 「NITTO フラットバー ストレート」 を 45cm にカットして装着。
 
短いハンドルバーにしたので、ブレーキレバーは「 Diatech Gold Finger 」をチョイス。色もフレームに合わせてゴールドにした。
 
ブレーキレバーを取り付けた感じをチェック。レバー部分が短く、ハンドルにマッチしてカッコ良くなった。
 
ブレーキは手持ちに余りがなかったので、現行の「ダイアコンペ センタープルブレーキ 610」を流用する。
 
前ブレーキ。
 
後ろブレーキ。
 
 
「Diatech Gold Finger」と「ダイアコンペ センタープルブレーキ 610」の組合せでのブレーキングは、レバーの引き具合も含めて、問題の無い制動力が発揮できている。
 
 
 
3. BBとクランクの改造
 
改造目標:
①.フロントのチェーンリングをシングル化する。
 
元のフロントディレイラーは Dura-Ace で、クランクは スギノ Super Maxy。チェーンリングをシングルに改造すべくクランクを取り外す。
 
クランクの奥に入っている、ボルトを取り外す工具「PARKTOOL CCW-5」。
 
テーパーになっている軸から、クランクを抜き取る工具「ACOR ATL-2715」。
 
取り外したクランクセット「スーパーマキシィ ツー リング用 3アーム」。
 
「スーパーマキシィ」シングル化の問題点。
サイズが合うフィキシングボルトがない
 ・3段をシングル化するので、
 短いフィキシングボルトに変える必要がある。
・「スーパーマキシィ」のフィキシングボルトの穴は、
 M8サイズより小さく、
 手持ちのフィキシングボルトは入らない。
→ 「スーパーマキシィ」のシングル化を諦める
 
BBのシェル幅を計ってみると規格通りの【 68mm 】なので、クランクを交換すべくボトムブラケットも外す。
 
右ワン。
 
右ワン取外し工具「PARKTOOL HCW-4」。
 
左ワン。
 
左ワン取外し工具「PARKTOOL SPA-6」。
 
取り外したボトムブラケット「TANGE タンゲ ボトムブラケット BC 1.37x24T」。3段だった為、軸長が 127.5mm と長い。
 
同じシェル幅【 68mm 】の、シマノ最新BB【 Dura-Ace BB-R9100 】を取り付けてみた。
 
規格通り、【 Dura-Ace BB-R9100 】がピッタリと嵌まった。
 
改造目標:
【 Dura-Ace BB-R9100 】がピッタリと嵌まったので、
コンポーネントを『手持ち』の 最新のもの に変更することにした
 
クランクとチェーンリングは、手元に余っているコンパクトクランク【 Ultegra FC-6650 】を使うことに。
 
アウターチェーンリングの【 50T 】だけでシングル化。
 
フィキシングボルトは、手持ちのシングルクランクから、シングル用(4.5mm) をクランクから取り外して流用。
 
シングル化したクランク【 Ultegra FC-6650 】の【 50T 】を取り付ける。
 
シングルなのでフロントディレイラーは必要ないが、チェーンの脱落防止用として【 FD-R770-B 】を取り付けた。シートチューブが「28.6mm」なので、アダプターのシムを併用した。
 
 
 
4. リアエンドの拡張と10速ハブの装着
 
ランドナーは5速のため、リアエンドの幅が【120mm】しかない。エンド幅を拡げるべく「バイクハンド YC-507 フレーム修正器」を購入した。
 
クロモリフレームなので、容易に拡げられた。
 
130mm のハブが入ったので、「10速化(8速以上)」が可能となった。
 
クロモリフレームなので容易に拡げられたが、恒久的処置ではないのでホイールを着脱する度に拡げる必要がある。又、左に拡がっているのか右に拡がっているのが分からず、センターが出ているかどうかも判らない。
 
 
 
5. リアディレイラーの改造
 
改造目標:
①.手持ちのリアディレイラー:RD-7900 にする。
②.手持ちのカセットスプロケット:CS-7900 にする。
 
元は Deore の 5速 がついていた。
 
新しく、Dura-Ace RD-7900 10s を装着。
 
カセットスプロケットは、シマノ Dura-Ace CS-7900 10s 11-28T にした。
 
 
 
6. シフトレバーの改造
 
改造目標:
①.改造車では輪行しない。
②.操作性を優先し、ハンドルで変速できるようにする。
 
元の「シマノ製 Wレバー」。
 
台座だけ残し、レバーを取り外す。
 
「シマノ SM-CS50 アウターストッパー Y67B91000」を購入。
 
アウターストッパー取り付け上の問題点。
Wレバーの台座に、アウターストッパーを取り付けようと付属の
【M5のボルト】を入れるも太くて入らず、
【M4のボルト】にしてみると細すぎる。
 
 
やむなく、レバーを固定していた元のボルトを使用して装着。
 
フラットハンドル用の10速シフターは、「SHIMANO(シマノ) SL-4600 」を購入。
 
SHIMANO(シマノ) SL-4600 。
 
フラットバー用の10速シフターは【SHIMANO(シマノ) SL-4600】しかなく、全ての「10速リアディレイラー」に対応しているらしい。
このシフターの変速動作は、STIレバーよりも優れていると感じるほど軽快である。
 
 
 
7. チェーンの装着とチェーンラインの問題
 
ランドナーのチェーンステイは長く、一般的なロードバイクのチェーンでは短すぎる。
 
チェーンステイの長さ。当ランドナーは 430mm
ボトムブラケットの中心(クランク軸心)と後輪軸心間の距離
ロードバイク・・・・・・約415mm
マウンテンバイク・・・・約425mm
クロスバイク・・・・・・約430mm
旅行車・・・・・・・・・約445mm
シティ車・・・・・・・・約470mm
 
 
使用したチェーン
CN-7900 10速用 フロントがシングルなので 108リンクにした。
 
チェーンの装着後、クランクを回してみるとチェーンラインが合わない。チェーンリングが外側に出すぎており、チェーンが歯にうまく乗らず、嚙み合わない。
 
そこで、インナーのチェーンリング【34T】に交換し、クランクの裏側に装着してみると、10速スプロケの5枚目と6枚目の歯の丁度中央の位置になり、最適なチェーンラインになった。
 
OKになったチェーンライン。
 
チェーンラインが決まり、チェーンが脱落する心配もなくなったので、フロントディレイラーを取り外した。
 
 
 
8. シートポストとサドル
 
シートポストは、「SHIMANO600 アルテグラ シートピラー」を装着しており、サドルも含め現行のまま使用することにした。
 
 
 
9. ホイールとハブの改造
 
改造目標:
①.手組のホイールに組み直す。( MAVIC Open Pro )
②.フロントはハブダイナモのホイールにし、
  ライトの電池交換を不要にする。
 
①.リアホイール
 
リム:MAVIC Open Pro 32穴 クリンチャー。
 
ハブ:ULTEGRA(6800)11s、スポーク:チャンピオン 2.0 - シルバー。
 
完成した、手組のリアホイール。
 
重量:1,000g。
 
②.フロントホイール
 
リム:MAVIC Open Pro 32穴 クリンチャー。
 
ハブダイナモは、「DH-3N72」6V-3.0W 32H を購入。
 
ハブダイナモ「DH-3N72」6V-3.0W 32H。
 
ハブダイナモ「DH-3N72」6V-3.0W 32H。
 
スポークは、チャンピオン 2.0 - シルバー。
 
完成した、手組のフロントホイール。
 
重量:1,260g。
 
③.ハブダイナモとライトの接続
 
ハブダイナモのコードの接続端子。
 
接続端子のコネクターを抜く。
 
コネクターを抜いた、接続ターミナル。ここに、コードの芯が接触する。
 
ライトは、Panasonic の ハブダイナモ専用ライト [NSKL135-S] を選択。
 
このライトは、1線式となっている。
 
おまけに、接続コードに端子がつけられている。
 
端子を切り落として、コードの芯をハンダで固定する。
 
コネクターに差し込む。コネクターには、元々穴が開いている。
 
コードの芯を通したコネクターを、接続ターミナルに差し込む。これで完成と思いきや、点灯しない。フォークの塗装を剥がすのが躊躇われたので、やむなくアース用の線を装着。2線式になった。
 
コードの芯を通したコネクターの頭部に、防水のためにシリコーンのシーラントを塗布した。
 
ライトの照射角度を調整して、完成。
 
タイヤは、パナレーサー TOURER を転用。
 
リムテープは、SCHWALBE SUPER HP を装着。
 
 
 
10. 改造後のランドナー
 
改造後のランドナー。
 
ギア比について
34T x 11-28T で、フロントが小さいのではないかと心配したが、34 - 28 で山ネキのゲキサカが登れるし、街中は 34 - 15 前後で十分である。
 
最終形の完成:「MAVIC Open Pro」での手組のホイールにし、フロントはハブダイナモのホイールで、夜間走行もOKとなる。
 
URBANスタイルにピッタリの1台になった。
 

以上。
(2018.10.07)

 

 

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